本年2月からのロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、「即時停戦」を求める声が世界各地で広がっています。ここ日本からも、『即時停戦』と『核兵器使用禁止』、『人道的支援』を訴えていくため、『Kids’ Guernica UA for Peace実行委員会』が主催する「キッズゲルニカ 2017 UA」3.11同時掲示イベントが、日本全国5カ所(東京、広島、長崎、京都、福島)で、2022年3月11日に開催されました。
当財団は、この5作品を通じて日本からもウクライナへの支援を広げていくという同実行委員会の趣旨に賛同し、本イベントの後援を行うこととしました。短い準備期間の中でしたが、当財団も同実行委員会や在日ウクライナ大使館、日本のキッズゲルニカ運営組織等と連携しながら、イベントの実現と成功に向けた協力を行いました。
東京では、在日ウクライナ大使館と繋がりから、日本から世界に訴える反戦運動の発信地として、スラヴィティチの子供たちが制作したキッズゲルニカを東京芸術劇場に展示しました。
なお、同時にウクライナ応援コンサートも催され、東京芸術劇場もウクライナ国旗カラーにライトアップされるというタイミングで、多くの方にご覧いただきました。
スラヴィティチ市は、チョルノービリ原発事故の二年後に、廃炉作業員の家族の居住都市として作られ、多くの子供たちの親が原発廃炉作業関連の仕事をしています。
この作品は、「花が咲き乱れ、動物たちも自由に飛び回る自然がいっぱいの環境でみんなで仲良く幸せに暮らす希望」を表現しています。
イベント開催当日は、多くの報道機関の方々も取材に来られました。当財団の担当理事の赤坂が取材を受けた様子も、NHKや日本テレビ、テレビ東京のニュースなどでも紹介され、このイベントの意義を知っていただくとともに、日本でももっと多くの方々に関心を持っていただき、『即時停戦』『核兵器使用禁止』『人道的支援』を訴えていくことの必要性をお伝え出来たと思っております。
キッズゲルニカ5作品は、全国5都市一斉掲示ののち、その後もいくつかの都市で延長展示され、また、東京都品川区や千葉県佐倉市でも展示されるなど、広がりをみせています。
当財団は、基金を通じて公益かつ非営利事業へ助成することが主な役割ですが、今後もこうしたイベントや活動に対しては、助成を行うだけにとどまらず、積極的に参加・関与していきたいと考えています。
「キッズゲルニカ」とは、ピカソがスペイン市民戦争に抗議して描いた『ゲルニカ』 (1937年) と同じサイズ (3.5 m × 7.8m) のキャンバスに、世界各地の子どもたちが「平和」をテーマに絵を描く、国際子供平和壁画プロジェクトで、現在までに50を超える世界の国々で数百枚の作品が完成しています。
ファッションデザイナーの故・高田賢三さんとキッズゲルニカの活動家らが始めた東日本大震災復興支援活動の一環で2017年、首都キーウやソ連時代に爆発事故があったチョルノービリ原発の作業員らが暮らす北部のスラヴィティチ、東部ドネツィク州とルハンシク州の子どもたち計百人以上が描いた5作品が『キッズゲルニカ 2017 ウクライナ』です。
作成時にはウクライナの子供達に広島と長崎の子供達が制作したキッズゲルニカ15作品を寄贈、ウクライナで制作された5作品をキッズゲルニカ活動家が譲り受け、日本国内の各地(広島・長崎・京都・福島・富士宮)で展示した後、保管していました。